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漢方基礎知識

2018年1月16日 (火)

漢方処方の選び方

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漢方薬は、配合されている生薬の種類や容量
の違いによって、効能効果が違います。

その為、適切な漢方薬を服用しないと
効き目がないばかりか
病状が悪化する恐れもあります。

その為、漢方薬を選ぶためには、
本来の体質の特徴・病状の特徴
これまでの変化・経過、
現在の体質等を
しっかりとお伺いすることで
漢方薬を選ぶために必要な
情報を集め
弁証という漢方診断を行うことが大切です。

漢方哲学の基礎である中医学では
身体を5つの臓と6つの腑に分け
身体を構成する要素を、気・血・津液・精
と区別しています。

何かの病に患うということは、
身体を健康に保つための
それぞれの要素に
乱れが生じていると判断します。

乱れたバランスによって現れる
体調の変化にはある特徴や規則
が存在していますので、

その特徴などから、
五臓六腑・気血津液精が
どのように乱れているのかを診断します。

そして、治療方法を考えたあとに
適切な漢方薬を選択するのです。

ただし、この方法は主に慢性的な病気や
体調不良に対して行い

急性症状には、これといった処方が存在しますので
体質を選ばすに処方することがあります。

漢方治療の良いところは
病状を楽にすることだけが目的ではなく
自分の弱点や体質的特徴を知ることで
病気になりにくくするための
自分にあった養生方法を探すことができます。
これは漢方治療の最大の特徴と考えています。

なんとなく体調がすぐれない
病気ではないが以前とはちょっと違う
などの未病(病気の一歩手前)の状態は
早目に対応することが必要です。

そんな時に漢方薬を利用してください。

まずは相談することで、自分の体質の特徴を
探っていきましょう!!

2017年12月 7日 (木)

健康とは、長生きの秘結

 健康である状態はどのような状態でしょうか、

 ・病気をしていない
 ・薬を飲んでいない
 ・ご飯がおいしい
 ・よく眠れる
 ・趣味、学問がはかどる
 ・気力が充実している

 どれも健康であると言えます。

 東洋医学の哲学書ともいわれる「黄帝内経」では、
 人は百歳をこえても衰えず、心身共に健やかで寿命を全う
 することができると言います。

 その為には、養生のことをよく心得、四時陰陽に応じて暮らし
 ・飲食には節度があり
 ・寝起きは規則正しく
 ・無理なく働く
 そうすることで天寿を全うできる。
 と答えています。

 ※黄帝内経(こうていだいけい)
 昔、中国に「黄帝」という聡明な方がいました。その方は
 人々から敬愛され帝王に推戴されました。
 黄帝内経はその黄帝と師の岐伯との問答の形で、
 東洋医学の思想、養生を語った古典名書です。

 東洋医学では病気になるのは、
 自然界の「邪気」がもとで体内に侵入したときであり、
 「邪気」が体内に侵入しやすくなったのは

 体内の「栄気」が滞り、「衛気」が弱まることで
 「邪気」の侵入を許してしまうのです。

 生まれつき、身体の強さである器が強い・弱いは
 あるのですが、

 強く強靭な器であっても、乱暴に扱えばすぐに壊れるし
 弱く壊れそうな器であっても、丁寧に優しく扱えば
 十分に使い続けることができるのです。

 つまりは、養生を心得て、無理なく自然に生きるている
 状態が健康であると言えるのです。


 漢方相談で、大病を克服された方は、
 「病気をして初めて健康である、命の尊さを感じる」
 と言われます。

 意識、気づきがあればだれでも健康で長生きできます。
 
 健康とは何かを考えてはいかがでしょうか。

★参考文献:まんが 黄帝内経ー中国古代の養生奇書

2017年11月27日 (月)

漢方の魅力

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 漢方薬治療は、紀元前より経験的に使用されてきた
治療で、現代病にも応用が利く素晴らしい治療です。

 現代医療の現場でも漢方薬を使用する割合が増加し
臨床的データーも増え、漢方を科学的にとらえることが
できることは素晴らしいことです。

 ですが、現代医療の現場では未病対策・予防医学は
健康保険の対象にならないために、現代医療の現場で
は検査しても異常がない場合には、異常なしと判断して
終了となってしまいます。

 検査で異常がなくても、ストレスとなる症状がある場合
改善したいと誰もが思うところですし、身体もそれを欲し
ているために症状として訴えるのです。

 本来ならばそのような状況を改善するのに最も
適しているのが漢方薬です。

 状況が悪化してやっと病名がつけられた時には、
病状がこじれてしまい、改善へ導くために困難になる
こともあります。

 有名な話ですが、中国の古い医学書「黄帝内経」
には『上工(名医)は未病を治す』と記載されています。

 古くから、病気になってから症状・病状を改善するよりも
病気になる前に対策をして、病気の根本を
治すことが大切であることを伝えてきました。

 漢方治療の大きな魅力はそこにあり、
相談をしていく中で、根本的な原因を突き止め
改善できる喜びは、患者さん本人と同様に
治療援助者としても何よりもうれしいことです。

 ・なんとなく調子が悪い
 ・検査しても異常がない
 ・これからどうなるか心配
という方は、ぜひ漢方療法で未病対策をお勧めします。

 みなみ野漢方薬局
 042-638-8860
 薬剤師:松田哲男

2017年5月19日 (金)

気・血・津液・精について・・・水(津液)・精

3つ目の身体の基本物質 水(津液)と精について
ご紹介いたします。

水(津液)は身体に必要な水分のことで、
唾液、胃液など体の中で分泌される液体状の物質のことで、
水は中医学では「津液」と呼び

その働きの違いから「津」「液」と分けています。
「津」はさらさらしているもので、身体を潤し
「液」は少し粘り気があり、関節、臓腑、脳などに存在し身体の動きを
滑らかにする働きがあります。

津液ととはお互いに変化しあっていますので
津液が不足すると血も不足します。


精は、生殖機能と深いかかわりがあります。
生殖機能は五臓の「」と関係があるため

精は「腎」に蓄えられるので「腎精」と呼んでいます。
その為、精の働きは「腎」の働きと同じで、

その他、精の一部は血に変化します。

気は、取り入れた栄養を原料として血・津液をつくり
血・津液は気と一緒になることで全身を巡り
血を精へ変化させたり、津液を尿や汗に変化させる働きがあります。

気・血・津液・精はそれぞれ独立した物質ではありますが
それぞれが働くためには互いの相互関係が必要なのです。

2017年4月14日 (金)

気・血・津液・精について・・・血

前回に引き続きまして、血についてご紹介します。

「血」は、飲食物より得られた栄養素をもとに作られるものと、
「腎精」が「血」に変化したものがあります。

「血」は脈管内にあり全身を巡り、全身の組織・器官に
栄養分を運び・潤いを与えます。

中医学では、「血」をただの栄養素や運搬役としてだけではなく
思考・感情・判断などの精神活動と密接に関係している
重要な物質と位置付けています。

「血」というと『血の道症』と言われる婦人科系の
疾患が関係しやすいと思われがちですが

肉体的・精神的に健康である状態を指す言葉に
「血気盛ん」とあるように、
「気血」が充実していることは、
肉体的な健康だけではなく
精神的な健康にも深くかかわっていることを
示しています。

相談の多い疾患である
自律神経失調症やうつ病・不眠症などの原因も「血」の異常が
大きく関係しています。

漢方には、「血」の働きを補い・高める働きの薬があります。

精神的に疲れている状態は「血」の働きが不足しがちである証拠です。
食事をしっかりとって、睡眠を充実させることで、
「血」の働きを高めることができますが、

それだけでは疲労や精神的乱れが改善できない場合には
漢方薬が健康状態を助けるために大きく役立ちます。

少しの乱れの状態を「未病」といいます。
病気の一歩手前です。

病気を発症してからでは治すのにも時間がかかり、
症状もつらくなります。

「未病」の状態を楽観視せずに
しっかりと整えてあげましょう。

次回は「水・精」についてご紹介します。

2017年3月21日 (火)

気・血・津液・精について・・・気

気・血・津液・精はからだを活かしていくために必要な基本物質。


気:気は目に見えないエネルギーで
  カラダを温めたり、血を全身に巡らせる働きがあります。
  気が身体を巡る通り道を経絡(けいらく)と言います。

血:血は栄養を豊富に含み、全身を巡って身体のあらゆる場所に
  栄養を与えます。

津液:津液は身体に必要な水分で
  さらさらしている「津」と少し粘り気がある「液」があり
  「津」は身体を潤す働きがあり
  「液」は関節、臓腑、脳、髄などに存在しています。

精:精は生命の源となっているもので「腎」に蓄えられているため
  「腎精」とも呼ばれています。
  腎精は、両親から受け継いだ「先天の精」に、摂取した飲食物から
  つくられた栄養物質が原料の「後天の精」を与えることで補っています。


気の種類:
 気はその働きによって呼び名があります。
 ①元気:すべての気の源
      先天の精(両親から受け継いだもの)を基本とした気で
      生命力・生命エネルギーに相当します。
 
 ②宗気:胸中の気ともいわれ、吸い込んだ気(清気)と
      飲食による栄養物質から得られる気(水穀の気)
      が合わさってできた気がいったん胸中に集まったもので
      その後、全身に送られます。

 ③営気:血液中を流れている気で、血を生成して
      全身に栄養と潤いを与えます。

 ④衛気:営気は脈管内にありますが衛気は脈管外にあり
      体表面を保護し外邪(邪気)が体内に侵入しないように
      しています。
      また、汗や体温を調整する働きもあります。

気の主な働き
 ①推動作用:気は血、津液、排泄物を動かして全身に循環させています。
 ②温煦作用:身体を温めて、体温を維持します。
 ③防御作用:体表に気を巡らせて、外からの邪気(外邪)が侵入するのを
         防ぐ働きで「衛気」の働きの一部
 ④固摂作用:血・津液などの液体状のものが漏れ出るのを防ぐ働き。
 ⑤気化作用:物質変化のことで、この働きによって気・血・津液・精は
         それぞれ代謝し、必要となるものに変わります。
 ⑥営養作用:摂取した飲食物を吸収できる栄養物質に変えて
         全身に送る働き

気の乱れを起こした状態は以下のようになります。
 ①気虚:気が不足した状態→疲れやすい、風邪ひきやすい
 ②気滞:気の巡りが滞った状態→イライラ・腹部膨満感
 ③気逆:気が上昇する気が強く、降りる気が不足
      →イライラ、のぼせ、頭痛
 ④気陥:上昇する気が弱く、下に降りすぎている状態
      →内臓下垂、下痢
 ⑤気脱:気を身体にとどめておくことができずに外に逃げている状態
      →大量出血、大量の発汗

以上が「気」の種類と働きになります。
次回は「血」の働きについてご紹介します。

2017年2月28日 (火)

五臓六腑について・・・腎

五臓の最後の臓腑は「腎」

「腎」は腎臓の働きと関係がありますが、
中医学では、人の成長・発育・生殖・老化などと関係が深く
生命の根本となる「精」を貯蔵しているため、
精は「腎精」とも呼ばれています。

主な働き
①腎精の貯蔵および成長・発育・成長の管理
 腎精は、親から受け継いだ「先天の精」と、
摂取した飲食物から作られた「後天の精」
によって栄養を与えられ、貯蔵されます。

 腎精の働きは「腎陰」「腎陽」2つに分けられ
・腎陰は各臓腑や組織、器官などを滋養し、潤します。
 また、余分な熱を冷ます働きもあります
・腎陽は各臓腑や組織、、器官を温め、働かせます。

②水分代謝
水分代謝と関係のある臓腑は「肺」「脾」がありますが、
これらの臓腑と協力し水分の代謝を行います。

③納気作用
中医学では、呼吸の吐く働きは「肺」
吸い込む働きは「腎」によるものと考えています。

これらの働きが低下すると
①腎陽の働きの低下・・・・冷え、倦怠感、消化不良、月経異常、不妊
 腎陰の働きの低下・・・・ほてり、のど、口の渇き、皮膚のかゆみ、不妊

②尿量減少、むくみ

③呼吸が浅くなる

その他、「腎」は骨・骨髄と関係があり、
老化によって「骨粗鬆症」になるのは
「腎」の働きが低下しているためです。

髪とも関係があるため、
抜け毛や白髪、髪のツヤの低下なども
「腎」の働きの低下と考えます。

「腎」は成長と老化、生殖と深いかかわりがあるため、
近年多い、不妊症対策は「腎」の機能を高めるための
「補腎剤」がとてもよく利用されています。

年齢とともに妊娠率の低下は
「腎」の働きが低下するためなので
「補腎(腎の働きを補う)」は、
とても大切です。

次回からは、気血水精についてご紹介します。

2017年2月24日 (金)

五臓六腑について・・・肺

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1か月でここまで花芽が伸びました。
これからが楽しみです。

五臓六腑の4つ目の要素「肺」
についてご紹介いたします。

主な働き
①呼吸を行い、気の管理をする
呼吸を行い外気を取り入れ、汚れた気を排出すします。
西洋医学での肺の機能と同じですが、
中医学の「肺」はこの取り入れた「気」は
飲食物から「脾」の働きによって作られた「気」
と合わさって「宗気(そうき)」と呼ばれる「気」となり
胸中に蓄えられます。

②宣発・粛降作用
全身に栄養や津液を行き渡らせる作用で、
宣発とは上部や体表面に行き渡らせ
粛降とは下や内部へ下す作用です

③水分代謝の調整
からだに不要となった水分を汗として排泄したり
「腎」と協力して膀胱へ運びます。

これらの機能が低下すると
①「気」を取り込むことができなくなるため
 息切れ、動悸、元気がない
②汗が多い、汗が少ない、風邪をひきやすい、元気がない
 肌の乾燥、抵抗力低下、疲れやすいなど
③むくみ、汗が出ないなど

その他、
「肺」は大腸、鼻、皮毛と関係があり
肺の気を下におろす作用により便の下へ誘導する働きを助けます。

「肺」の機能を高めることは、
暑さ寒さに強くなり、風邪を引きにくくなります。

小学生で半袖・短パンの子がいると思いますが、
「肺」の働きが強い子で
皮膚の悩み・呼吸器の悩みが起こりにくいでしょう。

毎日、歩くことやジョギングは健康維持のために
なりますので
健康に自信のない方は意識して呼吸をしてみましょう

2017年2月10日 (金)

五臓六腑について・・・脾

五臓の「脾」
西洋医学の消化器系統の働き全般を指し、
気血を作ります。

主な働き
①消化・吸収・運搬の管理・・推動作用
飲食物の消化・吸収・運搬を管理する働きで、
消化吸収した栄養物質を全身に運搬します。

②気血を作る
脾は吸収された栄養物質から気血を作ります。

③統血(とうけつ)作用
血は血管内を外に漏れることなく循環していますが、
漏れ出ないように管理する働きがあり
これを統血作用と呼んでいます。

④内臓・組織の位置の維持(昇提作用)
内臓や組織が本来ある位置から落ちないように維持する働き

これらの機能が低下すると
①食欲不振、胃もたれ、下痢、軟便、むくみ、食後の眠気
②体重減少、気力・体力低下、顔色が悪くなる
③鼻血、不正出血、月経が長く続く、アザができやすい
④内臓下垂、めまい、立ちくらみ、下痢
といった症状が現れてきます。

脾は六腑の「胃」と関係があり
胃は、飲食物を受け入れる場所であり、それを下へ落としていきます。
それを消化吸収するのが脾の役割です。

その他、脾の機能は、唇や口、筋肉とつながりがあります。
唇の横が荒れてきたり、切れたりするのは
脾の働きが低下しているためです。

また、感情で思い悩むことは脾の働きを悪くしてしまいます。

食事は腹八分、ゆっくりしっかり噛んで、
しっかり気血を作りましょう。

次回は、「肺」についてです。

2017年1月31日 (火)

五臓六腑について・・・心

五臓の「心」
心は「君主の官」と言われ、五臓の中でもリーダーとして
からだを支える部分に当たります。

主な働きは、
①血を全身に送り巡らせる。
 心は心臓と同じポンプ作用のように血を全身に行き渡らせて
全身の各臓器などの機能を十分に発揮できるようにしています。

②精神活動の管理(心は神をつかさどる)

 中医学では、思考・意識・感情などの精神的な活動を
「心」が管理していると考えでいます。
西洋医学では、脳の大脳新皮質等が思考や判断を管理していると考えます。
 精神活動が安定している状態は「心」の活動が充実している状態です。

 その為、「心」の働きが低下すると、
①動悸、息切れ、脈の乱れや
②睡眠障害や不安、うつ、意欲低下、パニック
などが起こりやすくなります。

「心」は六腑の「小腸」と関係があり
「心」の乱れは、舌や顔色にあらわれると考えています。

 不眠症やうつ病などに「酸棗仁湯」が良いといわれますが、
「酸棗仁湯」は中医学的適応状態として
・心血虚、心肝火旺と呼ばれる
心の血が不足している状態や心が興奮して熱を持っている
状態に使用します。

 近年、うつ病や不眠で悩んでいる方が増えているのは
心血である、精神エネルギーの消耗などが多くの原因となります。

 神経の使い過ぎや過労は、少しづつからだを弱らせてしまいますので、
睡眠時間をしっかりとって心をゆったりさせていきましょう。

次回は、「脾」のお話です。